のら松の旅日記(ブログ版)

鉄道・登山・県道標識収集の総合旅行記

S秘境とT秘境探訪【房総秘境探訪シリーズ】

まだネットが今ほど普及していなかった頃の話、千葉県内でライダーの間でS秘境とT秘境と呼ばれて秘匿されていた場所があった。

特に後者は質の悪いライダーが大挙し、水源地を汚染するなど地元と軋轢を起こし一時期立入禁止になった時期もある。そのため、語ること自体がタブーとなっていたような時期もあった。

今では検索すればいくらでも詳細な位置や情報が出てくるが、ここでは名前を出すにとどめておこう。

 

まずはS秘境(関の犬岩)へ。現地では単に「犬岩」と案内されている。ここは民家のすぐ裏側に入口があるが、その入り口がわかりづらく、30分ほど付近をさまようことになってしまった。

入口はイノシシ避けの金網があり、それを開けて入ると、道らしい道は整備されていない様子だ。

地面がぬかるんでいるところもあるので、最低でもスニーカーは必須だ。今回はこの後T秘境に行くこともあり長靴装備なので余裕で突破。

川に降りた。奥に犬岩が見える。

こちらが犬岩。

この角度から見ると、上の突起が犬の耳のように見える。

犬岩は秘境と呼ぶには程遠い立地であったが、お次のT秘境(高宕渓谷)はガチの秘境である。

高溝集落を進み、あらかじめ調べておいた、路肩が広くなっているところに駐車。

のどかな集落を過ぎると、道はかなり狭くなる。車一台がギリギリ通れる幅だ。

道路から川廻しのトンネルが見える。この先にも何か所かある。

これが高宕渓谷入口の隧道だ。異世界への入口のようだ。

隧道に入っていく。この後、四駆でここにやってきたおじさんに先導していただくことになった。

先に進む前に反対側の坑口を眺める。入口側とは全く違った印象を受ける。

いざ入渓。

黒滝に到着。

滝の脇にはステップが切ってあり、楽に登ることができる。

房総には高い山がないというが、それを思わせない山深い雰囲気になった。

岩壁と青空。絵になる。

川の中はところどころにポットホールがあるほかは基本的に平らで、道路と同じようなペースで歩くという稀有な体験をする。2つ目の小滝に到着。ここもステップが切ってあるので容易に登れる。

そして今回最大の目的地、急駟滝に到着。落差は30mはあろうかという巨大な滝で、これがまた川廻しによってできた滝だというから興奮する。

滝の上部には川廻しの隧道にある。滝の上に行かないと全貌は分からないが、滝の勾配はきつく、沢装備でないと厳しいであろう。今回はただの長靴のため下から眺めることとした。

滝は登らず、滝が流れ込む支流を先に進んでみたが(ここで案内のおじさんと別れた)、特に面白いものはなかった。

ここから戻り始める。これはポットホール。水は澄んでいて綺麗だ。

支流の一つに入ってみる。天然のウォータースライダーのような流れだ。

大量の流木に阻まれたので撤退。

もう一つの支流の小滝を見る。こちらは実は元本流で、川廻しによって水量を奪われた結果、小さな支流の水しか流れないようになってしまった。

小滝の先はごく平凡な流れのため撤退。

入口付近まで戻ってきた。川岸が奇妙な削られ方をしている。水流が強い時期と弱い時期があったのだろうか。

独特の形をした穴を発見。これも川廻しの一種なのか、正体は不明。

最後に、渓谷入口の隧道の脇にあった川廻しの中に入ってみる。

内部に進入。独特の景観だ。

出口から振り返る。綺麗な曲線だ。

これにて高宕渓谷攻略を完了した。意外と訪れやすい場所であった。

これから訪れる方はぜひマナーを守って静かに楽しんでいただきたい。