のら松の旅日記(ブログ版)

鉄道・登山・県道標識収集の総合旅行記

古賀志山岩下道踏破

今回は前から気になっていた、古賀志山の岩下道を歩き通してみた。

本ブログで古賀志山関連の固有名詞を紹介する際は、古賀志山を守ろう会の表記に準拠しています。リンク先の地図を閲覧しながらご覧になるとわかりやすいと思います。

 

何故冒頭にこのような注釈を置くかというと、古賀志山は人気の山ゆえコース名や固有名詞の表記ブレ・地点ブレが激しく、例えば「西尾根コース」は古賀志山を守ろう会では斑根石山(559m)から西に下るコースを指すが、赤岩山の西の尾根(主稜線の最西端)を指すサイトもある。主稜線最西端の北ノ峰のことを猿岩と表記しているサイトも多い(猿岩自体は別の場所にある)。他にも挙げればきりがないがここでは割愛する。

南駐車場に車を停め、古賀志山へのメインルートを分け、林道背中当線に入る。5分ほど歩くと大日窟への山道が分かれる。

まっすぐで地味にきつい登りを登りきると、祠が現れる。大日窟はこの裏側の岩の中にある。

静かにこんこんと水が湧き出ている。大日窟の真ん前には梯子がかかっており、古賀志山の主稜線に続いているが、梯子が危ないからなのか、木製の階段のう回路が設置されていた。

この階段が猛烈な急勾配で、足を踏み外したらそのまま転げ落ちそうだ。無理やり設置した感が強く、この先の険しさが垣間見えた。

私がこれから歩くのはこの階段ではなく、岩下道と呼ばれる、古賀志山の岩壁の下を横切る道である。登山においてこの道を使う必要性はないが、祠などが点在しており、古賀志山の山岳信仰を感じながら歩くことができる道である。

荒沢瀧に到着。水量はわずかだ。

頭上はオーバーハングしている。

滝つぼの岩は赤くなっている。

さらに岩壁の下を歩く。この岩壁の上が背中当山だ。

弁天三社の手前では道が不明瞭になる。

大きめの道に合流する。ここを左へ。岩壁に突き当たるところに弁天三社(弁天・天狗の宮・風雷宮)がある。

かつては祠が三つ並んでいたが、破損してしまったのか、現在は三社まとめて祀られている。

この辺りは岩壁が(さっきから岩壁ばかり言っているが、マジで壁のようである)オーバーハングしており、迫力があるとともに、子供の頃に来た時も思ったが、ただならぬ霊気を感じる場所である。

ここから男瀧まではかつて歩いており、本ブログでも記事を執筆している。

noramatsu.hatenablog.com

古賀志山を守ろう会の案内板によると、1725年に古賀志村名主北条市が「無類の霊地」と感得し、弁天社を勧請したという。私が直感的に感じたことと同じことを昔の人もおもったのだろう。

少し奥まったところにある女瀧は残念ながら完全に涸れていた。
水が流れているときの写真は上記記事に掲載されている。

ここから先は道幅が広い。

男瀧も枯れている。なお、瀧神社が隣にあるからか、男瀧を不動の滝と表記されることがあるがこれは間違いである(私の過去記事も間違えていました…)

ここからは滝コースに合流し、聖観音の看板があるところで再び右に分かれる。

あまり歩かれていない感じだ。
ここから先に行く人は、観音岩に登る人か物好きしかいないであろう。

落石注意の看板。わざわざここに看板があるということは過去に何かあったか。

しばらく歩くと伐採地に出てしまい、道が完全に消失した。直前の道も藪がちだったのでミスコースの可能性がある。いったん伐採地のへりを登る。

岩の下に来たが道は見当たらず。もと来た方向に道を見つけたのでいったん戻ってみる。

ミスコースしたところに戻ってきた。右が間違いで左が正解。うーん、これはわからないな。もっともこの先の伐採地で完全に道が途切れるのであまり関係ないが。

伐採地に戻ってきた。対面岩が目の前にそびえる。

伐採地からの眺め。多気山が左側に、その奥に戸室山の特徴的な出っ張りが見える。

遠くには筑波山加波山が見渡せる。

伐採地は途中からそれらしき道筋が現れる。

南コースに合流。伐採地を含むこの区間はほとんど歩く人もいないのだろう。とりあえず現状を知れてよかった。

当初はここまでの予定だったが、現地の看板には東南陵方面に行く道も岩下道と表記されていたので歩くこととした。

この区間には岩壁はなく、ごく普通のトラバースコースだ。

途中で分岐があるが、右に行くのが正解。この道はかなり踏跡が薄い。

左に行くと、だんだんと山頂方面に登る道になり、こちらも途中から踏跡がかなり薄くなる。

東南陵コースに合流。看板はなく、東南陵コースから岩下道に入るのは困難である。そのような需要もないと思うので問題ないのであろう。
さらに東陵コース方面にトラバースすることもできるが、きりがないうえに案内もなく面白みのない道なので、東南陵コースを下ることにした。

山頂近くは厳しい岩場が続くコースだが(私は未踏)、岩下道合流より下は歩きやすい道だ。
林道に合流し、長いこと林道を歩いて南駐車場に戻った。

※おまけ 林道を戻る途中で伊釜山に寄り道した。林道からの高低差はほぼなく、昔は山城だったそうだ。今でもわずかに掘割を確認することができる。