全国には車両が通行できず、登山道のような道が国道に指定されているところが何か所もある。
そのような道は地図上に点線で書かれることから「点線国道」と呼ばれ、道路趣味の対象とされる。
一方、都道府県にも点線区間は多くあり、マイナーながら探索の対象とされている。
今回は栃木県道にいくつか存在する自動車交通不能区間の一つを歩く。
場所はこちら。県道の色(黄色)で着色されていながら点線区間となっている。
ゲートがあるのは点線区間の少し手前である。
ゲートには歩行者が通り抜けできるスペースが開けられていた。
おそらく日常的に出入りする人がいるのであろう。
車両が十分すれ違える道幅はあるが、草や木が生えてきており、人一人が通るのがやっとの状態である。
最低限の刈払いがされており、歩行者が通る分には問題ない。
途中までは法面も整備されており、草を刈って舗装すれば車も通行できそうな感じである。
改良区間が終わりを迎えると急に作業道のような道幅となる。
ちなみに、未改良区間に入る直前が一番藪が酷く、顔に当たる藪をかき分けて進んだ。
この区間最大のハイライト、32キロポスト。ここが県道である証だ。
なお、山さ行かねがのレポートでは31キロポストもあったようだが、見つからなかった(山行がのレポートは本記事とはずいぶんと路面状況が異なるので、興味がある方は比較してみるとよい。改良区間と未改良区間の境もはっきりとわかる)。
ここから先は非常に景色の変化に乏しい。ほぼ一定の勾配でだらだらと登り続ける。
ところどころで地点標を見かけた。未改良区間でほぼ唯一の人工物だ。
一部では路肩が崩壊していた。軽トラでも通行は困難となる。
谷を回り込むところでは小さな木製の橋があった。
道の状態はだんだん良くなり、上の写真の位置が一番美しかった。
ただ、その後に本区間で一番の崩落に出会ったりもした。
景色の変化に乏しい中、何個目かの谷を回り込むところで、地点標以外のコンクリート構造物を発見。
U字溝を用いて小さな谷を渡っていた。
点線区間終点近くになると再び道が荒れだす。大田原側ゲートが近いだけにここが荒れているのは意外だ。
そしてこの切通しを抜けると…
大田原側ゲートに到着!!
ここまで約50分の道のりであった。
この写真の奥が林道、手前が県道である。道の規格は全く変わらない。
これで不通区間の全容を把握することができた。
帰りは来た道を戻った。