ある日ネットを見ていたところ、栃木県内にも房総のような小さな素掘り隧道が存在することを偶然知り、これは訪問するしかないとバイクで行ってみました。
↓場所はこちら
那珂川町盛泉の国道461号から大内方面に入る。
道幅が狭い以外はごく普通の生活道路だが、奥に行くにつれて普通車の通行も難しいよ言うな極狭路となっていく。
なお、(ものすごい狭路まで撮影していることで定評がある)Googleストリートビューの撮影車も途中で撤退している。
完全な軽トラ道となった後も細い谷にそって道は続き、上記の写真の分かれ道に出る。
左に行くと、トンネルができる前からあったと思われる遠回りの道となり、右に行くと仁中隧道である。当然右に行った。
ポータルは重厚な作りとなっているが、中は素掘りになっていることが分かる。
房総半島では珍しくないが、栃木県でこのようなトンネルは珍しい。
まず通り抜けて反対側のポータルを見る。森の中ということもありこちらのほうが雰囲気がある。
内部の様子。ごつごつとした岩肌を感じることができる。
西側には道の由来が書かれた「仁中農道開通記念碑」がある。内容は以下のとおりである(碑文から要約)。
この道は大内仁中から盛泉久通を結ぶ重要な道である。人力により肥料や農産物が運搬されていたが大変な苦難を伴うものであった。現場は岩石であるため隧道工事も工事費の問題でなかなか実現しなかった。
そのような中、大内土地改良区が設立され、積雪寒冷地帯農道整備事業により事業費600万円で、昭和27年に、42mの隧道と1350mの道路が開通した。
小粒ながらも、地元住民の尽力が結集されたアツイ道であった。
仁中農道を西に下っていくと、やがて集落が見えてきて県道232号に至る。