今回紹介するのは、世にも不思議な「二階建てトンネル」としてネットなどで評判の向山(共栄)トンネルだ。
単に向山トンネルと呼ばれることが多いが、本記事ではこのトンネルが向山トンネルでも共栄トンネルでもあることを踏まえ、向山(共栄)トンネルと表記する。
本トンネルは、車で県道側から入りそのままトンネルを通過した後、駐車して戻る形で徒歩で撮影したが、構成上の都合により写真は県道側から掲載する。
向山トンネル側入口の写真。
観察力のある人はこの時点でただならぬ違和感を感じているかもしれない。
トンネル内はかなり急な上り坂だ。
トンネルの真ん中付近まで進むと、天井が急に高くなる。
そして…
なんだこれは!!!!
出口が2つ、上下に並んでいる。
照明はカメラを通すと不思議と緑がかった色となり、奇妙な光景と相まって幻想的な雰囲気を醸し出している。
後半は急な下り坂となり、下の出口から外に出ることとなる。
振り返るとそこには「共栄トンネル」の文字が。
不思議だ。
入口は向山トンネルのはずだったのに。
ここで向山(共栄)トンネルがなぜこのようになっているかを種明かし。
もともとは普通のトンネルだった向山トンネル。
しかし、おそらく勾配が急であったことから、もっと通りやすいようにと勾配が緩やかな下の出口(共栄トンネル)を新たに掘りなおし、向山トンネルとつなげた。
その後上の出口を塞がなかったため、このような奇妙な上下二段のトンネルが誕生したわけだ。
(そのため今でも上の出口にたどり着くことはできるが、転落の危険があるためやめておいたほうがいいだろう)
上の画像を見れば、向山トンネルがもともと上の出口とつながっていたことがわかるだろう。
なお、向山(共栄)トンネルは養老渓谷の遊歩道の終点から始点に戻るルートの途中にあるので、何も知らずに入って驚く観光客もいることだろう。もっとも、共栄トンネル側から入るため、振り返らないと上下の出口に気づかない点が少しもったいない。
向山(共栄)トンネルの紹介はここまで。次は向山(共栄)トンネルを通りすぎた小田代地区にある異次元のトンネルを紹介する。